わたしの寝言

文字屑だらけ

優雅なハリネズミ バルベリ

自分の知性を隠して、アパルトマンの管理人を演じている未亡人の独白が主で、家族や大人に失望して、アパルトマンに放火して自殺しようと計画している天才少女の日記が挿入される形で進む小説。

章というべきものが短いので、読みやすいと思う。

日本のマンガや映画の話がたくさんでてくる。谷口ジローとかヒカルの碁とか。小津安二郎の映画は大きなウェイトしめてるな。

管理人が、どうしてそんなに自分の知性を隠すことにこだわっているのか、最初はその心のゆがみが知性を曇らせているような気がしていたけど、最後まで読んだらその意味がわかった。

哲学の章があって、いろいろ難しいことをかいてる。管理人パート。
その中でも、たぶん美について語られている章は重要で、美と永遠についてあらためて考えさせられてしまった。

最後は、こんなふうになる必要がないように思うけどな。